おまとめローンのメリット
おまとめローンには以下のようなメリットがあります。
- 1.返済日が統一される
- 複数の消費者金融に返済をしていると、返済日にばらつきがあり、返済日を忘れてしまったり、家計のやりくりが煩雑化してしまいますが、ローンを一本化すれば返済日も統一され、返済日も月に1回になるため気分も楽になりますし、金銭も管理しやすくなります。
また、完済スケジュールの把握も容易になるため、完済への意欲も高めやすいかもしれません。 - 2.金利の負担を減らせる
-
金融機関から借り入れをする場合、借入額が少なければ少ないほど、金利が高くなっています。
例えば、利息制限法に定められた上限金利は以下のとおりです。
10万円まで:20%
10万円〜100万円:18%
100万円以上:15%
複数の金融機関から少額ずつ借り入れをしていると、それぞれの金融機関に高い金利で返済をしなくてはなりません。
しかし、これらの返済をおまとめローンを使用して一本化すると、例えば10社に10万円ずつ、合計100万円借りていた場合の返済は20%の金利でそれぞれの金融機関に返済しないといけませんが、これを一社にまとめると1社から100万円、つまり15%の金利で返済することが出来るようになります。
特に2010年以前にローンを利用していた場合、その時点でローンに適用されていた金利が現在よりも高く、上限が29.2%でした。
現在は法改正により、上限利息は最大で20%に統一されているため、借り入れ開始が過去に遡れば遡るほど高い金利を払っている可能性があるため、おまとめローンを使えば返済額をかなり圧縮できる可能性があります。
また、金利が下がることで、返済額のうち元本に充当できる金額も多くなるため、完済までの期間も同時に圧縮することができます。 - 3.無担保・保証人不要の商品が有る
-
銀行などが提供するおまとめローンサービスは、保証人や担保が不要なものが数多くあります。
高額になるケースが多いおまとめローンで、保証人や担保が不要な理由は、その代わりに保証会社を利用するケースが多く、支払い金利の中に保証会社への保証料も上乗せされるためです。 - 4.総量規制の回避
-
消費者金融やキャッシングなどの借入金が年収の3分の1以上ある場合は、貸金業法の定める総量規制の対象となり、新たな借入を受けることができません。
ところが、銀行法によって運営される銀行は貸金業者では無いため、貸金業法の定める総量規制の対象外になっています。
そのため、年収の3分の1以上の借入残高があっても、銀行系のカードローンなどは利用が可能です。(審査が通れば) -
尚、消費者金融等でも総量規制の対象外のローンが存在します。
1.おまとめローンや借り換えローンなどに利用目的が限られたローンの場合
2.毎月の返済額や総返済額が少なくなるなど、債務者にとって一方的に有利なローンの場合
この両方の条件を満たせば総量規制の対象外になるという例外規定があります。
おまとめローンのデメリット
安い金利で借り換えて、返済日も一本化。
基本的にはお得なメリットが多いおまとめローンですが、デメリットも存在します。
- 1.審査が厳しい
-
消費者金融のキャッシングなどの場合、審査も甘くすぐに融資してもらえる場合も多いのですが、おまとめローンを利用する場合は、融資額も高額になるケースが多いため、原則として審査は厳しくなります。
特に都市銀行などが提供する低金利なサービスになればなるほど、審査は厳しいと言われています。
過去の信用事故などが審査対象となるため、過去に返済が滞っていたり、自己破産などの信用事故を起こしている場合は、審査が通りにくくなります。 - 2.返済総額が増える可能性がある
-
ここまでの説明と矛盾するようですが、おまとめローンを利用することで、これまでよりも月々の返済額や返済金利が減っても、返済期間が延びると総返済額増えてしまうケースがあります。
返済期間が延びるということは、その分だけ金利を払い続ける期間が増えるためです。
こうしたことを回避するには、事前にローンシュミレーションを利用して確認することをオススメします。
おまとめローンの問題点
メリットの多いように感じるおまとめローンですが、問題点や落とし穴もあります。
それは、おまとめローンを利用せず、現在の借金を任意整理すれば本来減額できたはずの借金が減額できなくなってしまう場合があること、または、おまとめローンよりも任意整理をしたほうが有利な場合があるということです。
どういうことかというと、現在借金している人の中には、知らず知らずのうちに、法定で定められた上限金利よりも、高い金利でローン契約を結んでいる人が多く存在します。
そうした法定金利よりも高い金利はいわゆるグレーゾーン金利と呼ばれ、任意整理と言う手続きを行うことで、払いすぎていた金利分を借金の元本に充当することで減額することが出来るのです。
さらに、そうした高金利での返済期間が10年以上などの長期にわたっている場合、法定金利で再計算すると、実際は借金の返済は完了しており、支払わなくてもよい返済を続けている、いわゆる過払い金が発生している場合もあり、過払い金についても、過払い金の返還請求を通じて取り戻すことができます。
任意整理を行うべきか、また過払い金の有無を確認するには、一般的には弁護士や認定司法書士への相談を通じて行うため、おまとめローンの利用を決定する前に、必ず弁護士等への無料相談を行べきでしょう。
任意整理の手続きを行わずに、おまとめローンを利用した場合、それまでの返済については契約が完了してしまうため、本来払わなくて良い借金を払い続ける事になってしまいます。
尚、過払い金の返還請求については、実際に過去に支払った金利分が対象となるため、おまとめローンの利用開始後でも、過払い金返還請求対象(消費者金融等)への時効が成立する、借金完済から10年が経過するまでは請求することが可能です。
詳しくは『おまとめローンと任意整理の比較』をご覧ください。
おまとめローンの審査が通らないケース
年収が低い場合、主婦やパートの場合、自営業者の場合など、審査が厳しくおまとめローンが利用できない場合があります。
・過去に信用事故(自己破産や返済滞納など)がある場合は審査が通りにくくなります
・当然のことですが、借入額や借入先などで虚偽の申告をした場合は審査が通りません(すぐにバレます)
・他社の借入件数が多すぎる場合も審査が通りにくくなります。(概ね4社までが限度とされています。)
・短期間の多重申し込みをすると、信用情報センターに申込履歴が残り、審査が通りにくくなります。
・概ね短期間で3社以上の申込を重ねると、審査が通りにくいと言われています。
詳しくは『おまとめローンの審査』を御覧ください。
借入先が多い場合
多くの消費者金融から借り入れをしてしまっている、いわゆる多重債務者の方の場合、おまとめローンの利用がしにくいというのが現実です。
そうした場合は、おまとめローンの審査申込をしても、審査が通りませんので、まずは借入先の件数を減らす必要があります。
借入先を減らす方法として、既存の借入先に追加融資枠がある場合は、そうした融資枠を利用して、他社への借り入れをまとめて返済してしまうと言うやり方があります。
尚、その場合は、既存の借入先のうちで、出来るだけ金利の低いところから、融資を借り入れしたほうが良いでしょう。
おまとめローンの選び方
おまとめローンを選ぶ際に、どのような事に注意するべきか、いくつか選び方をご紹介します。
- ・低金利のローン
- ・毎月の返済額が低いローン
- ・返済期間が短いローン
- ・総返済額が短いローン
- ・事前によく検討し、複数社の審査を同時に受けない
上記の条件で複数のおまとめローンを比較対象して、最もバランスの良いおまとめローンを選びましょう。
特にローン金利はおまとめローンを選ぶ際に最も重要視するポイントですが、一般的に都市銀行系のローン金利が最も安くなります。
いわゆる消費者金融でもおまとめローンのサービスを提供しているところもありますが、金利が高くなる可能性もありますので、ローンシュミレーションなどを用いて事前によく比較する必要があります。
詳しくは『おまとめローンの選び方』をご覧ください。