利息制限法とは、金銭の貸借における利息の契約及び賠償額の予定について、利率の規制を加えることを目的とした日本の法律です。
利息制限法による利率の上限は以下のように規定されています。
第一条(原文より)
金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
- ■元本が十万円未満の場合:年二割(20%)
- ■元本が十万円以上百万円未満の場合:年一割八分 (18%)
- ■元本が百万円以上の場合:年一割五分(15%)
また、賠償額(遅延損害金、延滞利息など)については、その賠償額の元本に対する割合が制限利率の1.46倍を超えるときは、その超過部分につき無効とされています(4条1項)。
(賠償額は最高(元本が10万円未満の場合)で29.2%(20%x1.46)となる)
利息制限法の目的は、制限を超える利息については法律上の効果を無効とすることで利息を抑制して、債務者である消費者を保護することにあります。
しかし、実勢はそれと異なり、この利息制限法の定める上限利息は貸金業者たちには軽視されてきました。
近年消費者金融などは、CMなどで大々的に利用者を募ってきましたが、その契約に定められた利率は利息制限法の上限を上回るものでした。
こうした金利はグレーゾーン金利と呼ばれ、多重債務者の発生の原因(それに伴う自殺者の増加)などとして、長く問題視されてきました。
このグレーゾーン金利の問題は、出資法と言うもう一つのお金に関する法律が存在するところにありましたが、
最近ではこうした貸金業者の動きを、より規制する機運が高まり、利息制限法の利率を上回る約定利息は無効であるとする、裁判所の判例や、法律改正の動きなどが示されています。
そうしたことから、出資法における上限利率の引き下げ、グレーゾーン金利の撤廃などの法改正が2010年に実施されました。
- ■利息制限法の制限利率の変遷
-
年15%(〜1954年)
年20%(1954年〜現在)