請求した業者からは新たに借金できなくなる
過払い金の返還請求をすると、請求先の消費者金融やクレジット会社からの新たな借入や、クレジットカードの利用は出来なくなります。
これは信用情報機関のブラックリストになったからではなく、各貸金業者の自社所有の個人情報に過払い金返還請求の記録が残るからです。
注意しなくてはならないのが、アコムやプロミスなど、銀行グループの資本が入っている消費者金融に過払い金返還請求をすると、そのグループの銀行のローンなども使えなくなる可能性が高くなるということです。
グレーゾーン金利の撤廃後、消費者金融は金利低下と過払い金の返還による減収・減益となり、当時の業界最大手だった武富士に代表されるように、多くの消費者金融が倒産・廃業しました。
残った消費者金融も軒並み再編や資金援助を受けることを余儀なくされ、アコムやプロミスなどの有名な消費者金融も相次いで都市銀行の資本を受けて、銀行グループの傘下に下っているのです。
こうしたケースで特に気をつけなくてはならないのが、近い将来に住宅ローンなどを申し込む際に、過去に過払い請求をしていたために審査に通らない、ということが起こりえるということです。
ローンの利用予定がある人などは、過払い金の返還請求先とその親会社・所属グループなどまで注意したほうが良いかもしれません。
ブラックリストに載る?
過払い金の返還請求をしても、個人信用情報の信用事故(いわゆるブラックリスト)が載ることはありません。
信用事故とは、債務整理(自己破産や任意整理など)だけでなく「契約見直し」をした場合に記録されるものだったため、過去には過払い金の返還請求をすると、事故情報として記録されていた時期がありました。
2010年以降は金融庁のお達しにより、過払い金の返還請求の場合は信用事故には当たらず、信用情報機関の記録には残りません。
ところが、過払い金返還請求をした請求先の消費者金融が自社で保有する顧客情報のデータベースなどには、過払い金返還請求をした記録が保管される場合がありますので、「過払い金の返還請求先の社内ブラックリストには載る」とは言えるでしょう。
意外と高額な報酬
過払い金の返還請求を弁護士や認定司法書士に依頼すると、その報酬が思わぬ高額になることが多々あります。
報酬の相場は、
着手金:0円〜5万円程度(1社につき)
成功報酬:返還金額の10%〜20%程度
が一般的な相場であり、この他にも事務手数料などを取られることもあります。
報酬が高くなる背景には、成功報酬の10%〜20%と言う部分が大きく影響しますので、依頼先の成功報酬のパーセンテージは必ず確認してから、依頼先を吟味しましょう。
仮に、100万円の過払い金返還請求が成功した場合、成功報酬10%の場合は10万円、20%の場合は20万円もの報酬を支払うことになります。
では、成功報酬がもったいないから、専門家に依頼せずに、自分で過払い金返還請求をしたほうが良いのか、といえばそれは違います。(多くの人に取っては違う)
経験豊富な弁護士や司法書士に依頼したほうが、過払い金返還請求は成功しやすい為、高額な報酬を支払ってでも、専門家に相談するべきだとは思います。
気をつけたいのは、近いから、有名だから、といった理由で安易に依頼先を決めずに、複数の事務所の無料相談を利用したり実績を加味するなど、比較検討をしてから依頼先を決めるべきという点です。
尚、過払い金返還請求には返還期限もありますので、その点は注意しましょう。