現代の日本には、多重債務者が200万人近くいると言われています。多重債務者の中には、自分が借金をしていることを周りの人に言い出せず、隠している人も多くいます。
ある日、家族から「実は内緒にしていた借金が・・・。」と言われたときあなたならどうしますか?
なぜそんなことに!?と怒り狂う人、金額を聞いて自分が借金を肩代わりしようとする人、金額を聞いて途方に暮れてしまう人。反応は様々だと思います。
家族に借金があることがわかったとき、どのような対応をするのが良いのか、考えてみます。
早めに変化に気がつくことが重要
現代社会では、簡単な審査だけで町中のATMで誰でもあっという間にお金を借りることができます。その手軽さゆえ、最初は少額だった借金は、みるみるうちに雪だるま式に積み上がり、気がつけば借金を借金で返す、自転車操業となり、あっという間に多重債務者の出来上がりです。
多重債務に陥って取り返しが付かない状態になる前に家族ができることはあまり多くはありませんが、債務者の生活の変化などに早めに気がついてあげることが、一つの有効な抑止となり得ます。
リストラにあった、遊ぶお金がほしい、事業に失敗した、ギャンブル、お酒・・・。借金をする理由は様々ですが、その前後では生活に何らかの変化が現れていることが多いのです。最近無口になった、身だしなみが乱れている、お酒を浴びるように飲んでいる、仕事の帰り時間が急に変わった、部屋が汚れている、などの生活の変化があった場合は要注意です。
また、電話が鳴ると隠れるように別の部屋に行って話をするようなケースも、浮気を疑ってしまいそうですが、金融会社から督促であったりする場合もあります。
このように決して大きな変化ではありませんが、家族になにか普段と違う行動などが見受けられた場合、出来るだけ早めに話を聞いてあげましょう。
家族の借金は安易に建て替えてはならない
実際に借金があることがわかったとき、多くの人が考えるのは、借金を自分が建て替えるということです。しかし借金を家族が建て替えてしまうと、債務者本人は、自分が借金をしたことでどのような苦境に陥ったかを正しく認識できず、その次もまた借金を繰り返してしまう可能性があります。 借金は安易に建て替えず、弁護士や司法書士など専門家に一度相談した上で、公的な債務整理も視野に入れて、借金をしてしまうような生活から抜け出すことがまず第一歩です。
債務者を責めてはいけない
家族に借金があったことがわかった場合、なぜそんなことに・・・!と本人を責めたくなるのが人情ですが、感情に任せて債務者を責めてしまうのはあまり良い方法ではありません。
債務者は責められることで、自己否定的な感情に陥りやすくなり、思いつめてしまって思わぬ行動をとってしまうこともありますし、借金を責められるのが嫌で、全額を申告せず過少申告してしまい、本来は整理すべき借金が残ってしまい、また借金を繰り返すループに戻ってしまうことがあります。
当事者同士で建設的に話し合いをすることが困難な場合は、やはり弁護士や司法書士などの専門家や公的な救済機関(市区町村の役所など)に相談して間に入ってもらうのが良いでしょう。